宮城県多賀城市は2016年度から、1歳児とその親を対象に、体験を重視した育児講習会を始めました。乳児期から幼児期に移る時期には、子どもに大きな変化があり、子育てに戸惑うケースも少なくないからです。角田市でも同様の取り組みが行われており、育児を支援する動きに関心が高まっています。

 「1歳を迎えて悩みも増えてきたと思います。子どもとの関わりが重要だということを体験してください」

 5月中旬、多賀城市子育てサポートセンターに集まってきた親子7組に市の保健師が語りかけ、講習会は始まりました。歯科衛生士が「仕上げの歯磨きは膝の上に寝かせて丁寧に」と呼びかけ、栄養士は「手づかみで食べると、食べ物が好きになるのでやめさせないで」と説明。体を使った遊びや絵本も紹介され、親子が一緒になって一つひとつ学んでいきました。この日は16組が3グループに分かれて参加。市の担当者は「各家庭でも継続して実践できる内容にしている」と力を込めます。長男・拓士ちゃん(1)と訪れた開沼幹子さん(34)は「コップで飲むことができるのが分かった。虫歯菌の検査も役立った」と満足した様子でした。

 市が事業に乗り出したのは、核家族化が進んだことで、親が出産までに乳幼児と触れあう経験が少なくなり、子育てに不安を抱える人が増えているからです。

長男・仰生(あおい)ちゃん(1)と参加した有賀杏理さん(31)は「初めての子育てで分からないことばかり。実家も遠く離れていて一人で悩んでしまうこともあった」と打ち明ける。これまで4~6月の3回で計45組が参加しました。市には育児に悩む親から寄せられる相談が増えているといいます。1歳半健診では「簡単な言葉が発せられない」「指でさし示すことができない」などとして経過観察になる割合も上昇しています。

 これは多賀城市に限ったことではなく、宮城県によると、県内の1歳半健診(仙台市を除く)では、経過観察とされた割合が10年の32%から2014年には36%と増加傾向にあります。

 一方、角田市では10年から「おたんじょう相談」と題し、1歳児とその親を対象に、子育て相談事業を始めました。虫歯対策としての歯科指導を中心に、栄養指導や個別相談なども行っています。市の担当者は「子どもの虫歯の減少につながっており、歯に対する親の意識も高まっている」と話しています。